太陽の下のブルージーンズ

寺内タケシとブルージーンズは今年のポピュラー・ミュージックのオープニングとも云えるザ・ベンチャーズ、アストロノウツと共演、その実力と伯仲した熱演は多くのファンを魅了してしまいました。「太陽の下のブルージーンズ」と題したこのアルバムは、いわゆる外国の演奏者の物真似ではありません.寺内タケシの秀れた編曲とフィンガー・ホッピングなテクニック、フェンダー製ジャガーとエコー・チェンバー、アンプのメカニックを駆使しての演奏は我国エレキ・ギター・サウンド・コンボの)No.1としての実力を大いに発揮したものと云えましょう。
曲目も御覧になって分るように「真珠貝の歌」「シンキング・オブ・ユー・ベィビー」「青空に両手を」等のニューヒットと「サマータイム」「キャラバン」「ミザルー」などとすでにロック化されているスタンダード・ナンバー等、新旧とりまぜてあり、選曲の良さ、アレンジの良さ、録音の良さ、それに加えて12弦ギターを使ってのすばらしい寺内のサウンドと、皆さんを決して飽きさせない素晴しいブルージーンズのレコード決定盤と言えましよう。

1. パリー・シェルス(真珠貝の歌)
 ハワイ・コールズ、ビリー・ヴォーン楽団の演奏などで現在大ヒットしている曲です。昨年の夏には、ジャック・ジョーンズの唄でヒットした「月影はるかに」と同じものであることをつけ加えておきましょう。
2. 夕日の渚
 ザ・シャンティズでヒットしている曲ですが、リズムは真夏のリズム、サーフィン。メロディーはオヤ何処かで聞いたことがありますね、不滅の名曲、ベートーヴェンの「エリーゼのために」もシャンティズの手にかかるとこんな若向きの曲に早がわりしてしまいます。
3. ロックン・ロール・ミュージック
 ロックの初期、チャック・ベリーの自作・自演で流行したものですが、当時、日本では発売されませんでしたので、リヴァイバルを感じさせません。現在では世界中に、リヴァプール・サウンドの名を轟かせたビートルズのヒット・ナンバーとしての方が知られています。
4. スイムで行こう
 このところ必ず映画主題歌でヒットを飛ばしているエルヴィス・プレスリーのこれも映画「フロリダ万才」の主題歌です。リズムは、今年の流行のニュー・ダンス「スイム」でギターとラテンのかけあいの調子の良いものです。
5. シンキング・オブ・ユー・ベイビー
 リヴァプール・サウンドの波にのって荒しまわったグループ、デイブ・クラークの自作自演のニュー・リズム、ブルー・ビートのヒット曲です。
6. ロンリー・サーフ・ギター
 第2のベンチャーズと云われるエリミネイターズの演奏で知られる曲です。その名の通り、ロック・ギターのパンチの中にもどこか哀愁おびたサーフィンとなっています。
1. 青空に両手を
 フード・ウェルマンをリーダーとするアメリカの6人組、フード・ウェルマンとケンツのヒット曲です。明るい夏を思わせる佳曲です。
2. キャラバン
 デューク・エリントンのになるキャラバンは、最近では、ベンチャーズの演奏などにより、完令にロック・ギターのヒット・ナンバーとなったようです。ここでは、ブルージーンズの寺内タケシが高度の技術と二重録音によって素晴らしい演奏をしています。
3. サマータイム
 これは、御存知の通りガーシュウィン作曲、「ペギーとベス」の中の有名な曲。ここでも寺内は、12弦ギターを使ってこのムーディーな曲をなんなく素晴しいロックにしたてかえています。
4. さすらいの口笛
 黒沢明監督「用心棒」のイタリー版「ひと握りの金の為に」の主題曲です。イタリーをはじめ、ヨーロッパで大ヒットした大変にムーディーな曲です。
5. カレン
 テレビ映画の人気番組「カレン」の主題歌です。この若々しい曲にブルージーンズは楽器演奏だけではあきたらず、コーラスにまで手をのばしています。
6. ミザルー
 もともとラテンの曲ですが、サーフィン・リズムの抬頭と共に衣がえされ、いまやサーフィンのスタンダード・ナンバーとなってしまいました。

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